先日・国立新美術館で開催中の「メトロポリタン美術館」を観てきました。この美術館はご存知のようにニューヨークにありますが、今回はこの美術館の中のヨーロッパ絵画の中の巨匠たちの名画を公開中です。
今回、この中でちょっと目に留まった作品をご紹介:
まず冒頭にある絵画はフランソワ・ブーシェ《ヴィーナスの化粧》
18世紀フランスのロココ美術を最盛期に導いたフランソワ・ブーシェは、官能的な神話場面や田園で男女が憩う情景をパステル調の色彩で華麗に描出した絵画により、王侯貴族に絶大な人気を博したそうでうす。
フランソワ・ブーシェはルイ15の愛妾ポンパドゥール夫人から15年以上にわたって寵愛されました。この《ヴィーナスの化粧》はもともと、ポンパドゥール夫人のために描かれたもの。
キューピッドと白いハトは、ヴィーナスの伝統的なアトリビュート(象徴物)だそう。華やかな雰囲気となまめかしさを感じさせるヴィーナスの表情もいいですよね♪
次にジャン=レオン・ジェロームの《ピュグマリオンとガラテア》

ジャン=レオン・ジェロームさんはフランス19世紀後半のアカデミズム絵画を主導した画家。
この時代は、市民社会の趣味の変化が保守的なアカデミズムにも様々な影響を与えたようで教訓性や難解さは敬遠され、感傷的でロマンティックな物語が好まれるようになりました。
そんな時代に描かれたなんともロマンティックな一枚だと思います。
この絵画はギリシア神話のキプロス島の王ピュグマリオンとガラテアの物語を絵画にしたものです。
自分が彫刻した女性像に恋をして苦しんだピュグマリオンが、ヴィーナスに祈ったところ、
女神のアフロディーテは願いを聞き届け、彫刻に命を吹き込みました。
画家のジェロームは、均整のとれた美しいヌードの女性像が硬い大理石から柔らかな生身の人間に変容し、ピュグマリオンとキスを交わす一瞬をドラマティックに描いています。
このお話って心理学・教育学の世界に言われている「ピグマリオン効果」と呼ばれるものなんですよね。
願望を実現させるにはどうしたらいいのでしょうか?
「ピグマリオン効果」というのはこのように、強く思い続ければどんな願いも叶うということなんですよね。そのストーリーを彷彿とさせるピュグマリオンとキスを交わす女性像・・人間に変化していく様子がなんともドラマチックですよね。
そしてもうひとつ
ジョルジュ・ド・ラ・トゥール《女占い師》

この絵画は今回の美術展の表紙にもなっているのでご覧になられた方もいらっしゃると思いますが・・
ジョルジュ・ド・ラ・トゥールさんは17世紀のロレーヌ公国(現フランス北東部)で活躍し、
ルイ13世の国王付き画家に任命されたほどの技量の持ち主でしたが、没後急速に忘れ去られ、
20世紀に再評価された画家だそうです。
右側にいる老婆の占い師を見つめる若者、そしてその若者が周りの女性たちから財布や宝飾品を盗み取られる場面が描かれています。
占いの情景は、17世紀初頭のカラヴァッジョの作例を皮切りにヨーロッパ中で流行したそうです。
ラ・トゥールの作品は、主題や明暗表現にカラヴァッジョの影響が感じられますが、
彼がこうした流行をどのような経路で知ったのか、いまだに判明していないそうです。
派手な色合いの風変わりな衣服が強い印象を与えていますね。
きっと占い師と盗みをする女性たちはグルなんでしょうね。何だかおかしいですよね。
もしかしたら、この占い師は私の祖先かもしれません?!・・って思ったら余計おかしくなりました(*^-^*)
今回ご紹介はしていませんが、この美術展はとっても豪華な画家のメンバー集結しています。
15世紀からのルネサンス絵画から19世紀の印象派の絵画まで、ラファエロ・ティツィアーノからカラヴァッジョ・フェルメールそして、ドガ・ゴッホ・セザンヌ・モネまでとても見ごたえのある絵画展となっています。
5月30日までの開催となっているのでお時間があればぜひ行ってみてくださいね。
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おはようございます。
芸術に触れる時間
ステキですね。
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行動制限がなくなり美術館にも足を運べるようになりました。
このまま感染者が落ち着くといいのですが。
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ピグマリオン効果って ここから来てるのね。
美術館での絵画鑑賞、よかったわね。
解説も面白かったです。
ありがとう!
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芸術ってすごいですよね。
今日私も香港のM+という現代アートを
メインにしている博物館に行ってきましたが
とても良かったですよ。
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どれもすごい絵ですが、占い師とその周りの人たちのは、
今もありそうで怖いですね。
応援ぽち。
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天使ちゃん達がとても可愛いですね。
コロナ禍になって美術館なども
足が遠のいています。
北斎展が来てるんで行ってみようかなぁ。
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こんばんは
美術館ってなかなか行けてないです
じっくり見てみたいです
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こんばんは。
んん、なかなか専門的なオハナシですね。ぼくにはまだまだ経験値が足りません。
広く浅くでもいいから見聞を広げたいものです。いまは狭く深くなので(笑)
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こんにちは
美術館
もう何年も行ってません。
心の栄養補給にも
良いですよね。
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こんばんは。機会あったら行ってみたいです☆
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おはようございます。めっちゃ面白いです。「ピグマリオン効果」、私も強く願えば叶うかな。「女占い師」できることなら、複製で良いから欲しい。それぞれの表情がリアルで、盗む手口とかもリアル、こういう絵画は滅多にないよね。
メトロポリタン美術館、噂の元プリンセスM子さんが、就職するとか?あそこですよね。
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おはようございます。
解説がわかりやすかったです。
ありがとうございます。
勉強になりました。
メトロポリタン美術館は、ニューヨークですか?
作家の原田マハさんが若いころ、ここで働いていたと思います。
ぽちっ
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