大英博物館 日本美術コレクション・百花繚乱を観て-その1

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先日「大英博物館 日本美術コレクション・百花繚乱」を観てきました。

海外保存の日本美術なんて・・とあまり期待していなかったのですが、これがすごく良かった!

江戸時代を代表する八大浮世絵師の版画と歌麿・北斎・暁斎らの貴重な肉筆画が一同に展示されていました。もう数が多くてすばらしい作品ばかりで圧巻でした。

ちょっとその中のいくつかをご紹介:

●まずは世界的に有名な”富嶽三十六景 神奈川沖浪裏” 葛飾北斎(当時70代)の作品です。

動と静の対比: 画面の手前には大きく荒れ狂うダイナミックな大波、遠くには小さく静かに佇む富士山が描かれています。

世界への影響は大きく、 モネやゴッホなどの印象派の画家たちに大きな影響を与え、ジャポニスムの象徴となりました。

『神奈川沖浪裏』は一点物の肉筆画(手書きの絵)ではなく、江戸時代に何百枚、何千枚と大量に印刷された木版画(浮世絵)です。そのため、大英博物館だけでなく世界中や日本内の複数の美術館がそれぞれの「本物(当時摺られたオリジナル)」を所蔵しています。

●次はこれまた著名な作品・円山応挙の「虎の子渡し」

円山応挙の《虎の子渡し図屏風》は、母虎が気性の荒い子(彪)を連れて川を渡る中国の故事を描いた、1781〜1782年頃の作品です。

「虎の子渡し」の故事とは
母虎が3匹の子を産むと、必ず1匹は凶暴な「彪(ひょう)」が混じり、他の子を食べてしまうという説話です。子どもだけで留守番させないよう、母虎は計算して何度も川を行き来し、無事に全員を対岸へ渡します。この苦心しながらやりくりする様子から、生計や家計の苦労を例えて「虎の子渡し」と呼ぶようになったそうです。

虎の子渡し(とらのこわたし)」とは、中国の故事に由来し、生計のやりくりに苦しむことや、非常に難しいやりくりを意味する言葉です。

●歌川国芳の「相馬の古内裏」

歌川国芳の「相馬の古内裏」は、平将門の娘・滝夜叉姫が巨大な骸骨を操り、源頼信の家臣らと対峙する姿を描いた江戸時代末期の代表的な浮世絵です。


巨大な骸骨(がしゃどくろの原型): 原作では複数の骸骨が登場する場面ですが、国芳は1体の巨大な骸骨として大胆に表現しました。この骸骨は当時伝わっていた西洋の解剖学書を参考にしたと言われています。

迫力の構図: 3枚の画面を大きく横切るようなダイナミックな構成で、現代でも国内外で高い人気を誇っています。

この「相馬の古内裏」の背景には、滝夜叉姫の復讐と怨念の物語があります。

平安時代、天慶の乱を起こした平将門は、朝廷の軍に敗れて討ち取られます。将門の一族は滅ぼされますが、生き残った息子の良門(よしかど)と娘の五月姫(さつきひめ)は、父の無念を晴らし、将門の遺志(国を興すこと)を継ごうと誓います。五月姫は、筑波山に籠もって荒御霊(あらみたま)に祈り続け、ついにガマの妖術(怪しげな術)を授かります。これを機に、彼女は自らを滝夜叉姫(たきやしゃひめ)と名乗るようになります。

滝夜叉姫と兄の良門は、かつて父・将門が下総国(現在の茨城県古河市付近)に築いた内裏(皇居を模した本拠地)の跡地である「相馬の古内裏」に潜伏します。ここで朝廷を覆すための軍勢を集め、反乱の機会をうかがっていました。

これを取り締まるため、朝廷の命を受けた陰陽師で武勇に優れた大宅太郎光圀(おおやたろうみつくに)が、古内裏へと探りに入ります。
光圀に素性を暴かれそうになった滝夜叉姫は、術を使って巨大な骸骨(がしゃどくろ)を召喚。古内裏の御簾(みす)を破って現れた大骸骨が光圀らを押し潰そうと襲いかかりますが、光圀は恐れることなく、優れた武術と妖術破りでこれに立ち向かいます。

歌川国芳の浮世絵は、まさにこの「滝夜叉姫が妖術で大骸骨を呼び出し、光圀を威嚇するクライマックスシーン」をダイナミックに切り取ったものなんですね。

この物語の結末は父の無念を晴らして将門の国を再興するという滝夜叉姫の儚い夢(謀反)は、朝廷の壁を崩せず「失敗」に終わるという悲劇的な結末を迎えるんですね。

がんばった平将門の娘滝夜叉姫のちょっとせつない物語ですよね。

この物語も歌川国芳のこの印象的な浮世絵だけでなく、歌舞伎・神楽にもなっています。

そして、最後に私が一番気になった作品はまた次回にご紹介させていただきます。

この「大英博物館 日本美術コレクション・百花繚乱」は東京都美術館・開館100周年記念の展覧会であり、10月18日まで開催中です。

すばらしい展覧会なので気になる方はぜひ出かけてみてください。 ではまた次回を楽しみにしてくださいね♪

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